てけてってって♪
 てけてってって♪
 てけってってってててて♪

「はいはい、テレビの前の皆さん毎度おーきに。八神はやてですわー」
「みなさんこんにちわー。アシスタントのリィンですぅ」


 はやてさんのお料理メモ 「なのフェイえろえろクッキング」
          かいたひと:ことり
 


「マイスターはやて、今日のお料理はなんですかぁ?」
「ん、今日は季節柄さっと軽くできるものを紹介しよか」
「軽くですかぁ」
「とりあえずは材料からいってみよか? リィン、プラカード持ってなー」
「はぁい。んしょ、んしょ……」

 ばた。

「は、はわわわわ、まいすたぁ、助けてください〜」
「あーあー。ちょっとAD君、手伝ったげてーや」
「ううう、ごめんなさいですぅ……」
「んじゃ材料や。ちょお一部手に入りにくいもんがあるなぁ」
「えーと……4畳半一間、キングサイズのダブルベッド、レースのカーテン……
 マイスター、このベッド、なんで円形なんですか?」
「ああ、その辺は愛嬌や。気にせんでええわ」
「はぁい。えっと、それにアイマスク、手枷、羽ぼうき……このへんまでは入手しやすいですね」
「そやね、そんでこの2品目が厄介なんやけど、今回スタッフの協力でなんとか入手に成功したんよ」
「わ、すごい。今日はお祭りですね!」
「とりあえず見てもらおか。あっちのセットに移動するでー」
「了解でっす!」

 〜CM〜

「マイスター、材料が揃ってますけど、最初はどこから手をつけるんですかぁ?」
「調理法はいたって簡単や。全部そろえたらベッドの横のボタンを押してくるくると回す。
 そんだけで下ごしらえが始まるんよ」
「でもちょっと暗くて見えないですぅ」
「最初は光を当てないようにするんがコツや。そうするとスムーズに進むよってな」
「ほへー。そうなんですかぁ」
「もうそろそろええかな。照明さん、2本当ててくれへん?」

 ぱ、ぱっ

「あ、ようやく見えました。うわー、もうずいぶん熱そうですね」
「モノがええからなー。あれが材料のメイン、スターズ1とライトニング1なんよ」
「そうそう手に入る材料じゃないですねぇ」
「まぁあれだけ揃えれば9割はできたも同然やからな」
「ライトニング1、ちょっと苦しそうですけど……あ、アイマスクと手枷はここに使うんですね」
「スターズ1の性癖みたいなんよ。イヤと言えないライトニング1にも問題あるんちゃうかと思うけどな」
「思うように動けないのに、スターズ1容赦ないですねぇ」
「スターズ1の表情に注目や。あの蕩け具合でライトニング1の味が決まるからな」
「最初は上半身中心に責めてますねぇ。耳とか首筋とか弱そうですライトニング1」
「的確に弱いところ責めてくんはさすがにエースオブエースやな。
 下ごしらえが進んでくるとびくんびくん飛び跳ねるんで逃げないように押さえ込むのが難しいんよ」
「意外に声大きいですねライトニング1。壁の薄い集合住宅とかだと文句きちゃうかも」
「むしろ聞かれてると燃えるらしいけどな。そのへんは個人の性癖なんであんま触れんようにしたり」
「はぁい。あ、スターズ1が羽ぼうきを手に取りましたね」
「嗜虐心が多めなんでスターズ1の動きには十分注意しといてな。目を離すと何をするかわからんさかい」
「あーあー。ライトニング1泣いちゃってますよ。両手使えないのにくすぐりまくってますスターズ1。
 アイマスクで見えないのも一役買ってそうですね」
「ああ見えてライトニング1のMっ気も相当やからな。ちょっとぐらいやりすぎに思えるぐらいのほうがええ味でるんよ」
「苦労してるんですね」
「そのへんについてはノーコメントにしとこか」
「あ、ライトニング1が真っ赤に茹で上がってきましたね」
「茹で時間はぶっちゃけ目分量やな。これでええ、ってトコで止めんとあとで痛い目みるんで注意や」
「このへんで羽ぼうきがいらなくなるんですねぇ。合間合間にキスをはさむと落ち着かせるのに効果がありそうです」
「耳元で囁くのも効果アリや。愛の言葉もええけど、貶めるのも乙なもんや。その日の気分で決めてええよ」
「あ、今ライトニング1、何か言われてびくって跳ねましたね。何言われたんでしょう」
「跳ねるんは刺激系やな。きっとものごっついひどい事いわれたんやろなー」
「刺激系にも何パターンかありますね」
「せや。あっちのパネルに例あげてみたんで読んでくれへん? リィン」
「あー、はぁい。えっとぉ……
 『腰、跳ねちゃってるよ……フェイトちゃんのえっち』、
 『なぁに、まだ触ってないのに、もうこんなになっちゃってるの?』、
 『こんなことされて気持ちいいんだ……変態だね』、
 ……うわー、最低ですねスターズ1」
「いやいや、これがスターズ1の愛情表現なんや。捻じ曲がってるのは見逃しといたり」
「大人って汚いです」
「そういわんと。ほれ、そろそろ仕上げ、っていうかもうトドメやな。ここで手を抜いたらアカンで」
「スターズ1がライトニング1の股間に顔を埋めましたよ? うわぁ、声が大きくなった」
「こっからは耳が頼りやな。ちょっとした一言が隠し味なんで聞き逃すと損やよ」
「とりあえず録音と一緒にメモしときます。
 『やっ、だめぇ! 噛んじゃだめぇ!』
 『入ってくる、なのはの舌が入ってくるよぉっ』
 『そ、そこ、お尻っ……!』
 見えないとこで何やってるか考えるとかわいそうに思えてきますねぇ」
「あとあとで別の材料に使える場合もあるからしっかり残さずとっておくんやで。
 このへんの言葉が絶叫に変わってくるとそろそろ出来上がりや」 
「ライトニング1の腰が暴れっぱなしですねぇ。体力いりそうです」
「ベッドがキングサイズなんはこのためなんよ。スターズ1は手加減知らへんからな」
「全力全開にも程があると思います」
「ん、仕上げにかかったようやな。指の動きの速さで判断するとええよ。
 だんだんライトニング1の声も大きゅうなるから気をつけてな」
「うわ、うるさ……ライトニング1がエビぞってますよ。あ、おしっこ出てる?」
「あれは潮吹きってやつやな。量が多ければ多いほど味に深みがでるんよ」
「スターズ1の顔にいっぱいかかっちゃってますけど……すっごい嬉しそうですねぇ」
「その辺も性癖ってことで大目に見たってや。……お、ちょうどこの辺で時間やね」
「はいっ、今日は『スターズ1とライトニング1のあんかけてんこ盛り』をご紹介しましたぁ!」
「時間をかけすぎると味がしつこくなるから気をつけるんやでー」
「提供は皆様の食卓と平和を維持する、時空管理局機動六課でお送りしましたぁ」

「マイスター、マイスター」
「ん? なんやリィン」
「片付けようと思ったんですけど、なんか第二ラウンド始まっちゃったみたいなんですけど」
「あー、底なしやからな。ほどほどにしておいて退散するとええよ。
 そもそも犬も食わない、って奴やからな」
「了解ですぅ」


 暗転。


 いまだ続く水音を残して。

       fin.

 







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